2023-01-01から1年間の記事一覧

基礎断熱か床断熱か

どちらが良いのか考える方は多いと思う。 ネット上では、高気密高断熱住宅なら基礎断熱一択と言う設計士が多い様に思える。 筆者の考え方は、下記の2点です。 1.寒冷地(凍結深度)がある地域、又は、外気が氷点下を下回る地域は基礎断熱。 寒冷地で基礎断熱を…

一種換気システム(熱交換換気)の問題点とネットリテラシー

24時間換気を検討すると三種換気はダメだと言う方が多くいますが、決して一種(熱交換)換気が優れている訳ではありません。 一種換気がダメな理由 1.給気に室内の空気が一部混入します。コレはJIS規格にも記載されている『有効換気量率』と言う項目です。 以…

24h換気システムは全館空調システムの送風に利用出来るのか?

答えは無理です。 24h換気の送風では室温をコントロールする事は難しいです。 と言うより、実質無理です。 基礎断熱の床下に一種換気を入れて循環ファンの様なイメージで提案している方々はいますが、あれはプラセボ効果です。筆者は、誇大広告に近いとも思…

断熱等級567どこに向かうべきか

断熱性能の底上げが行われる理由は、地球温暖化対策が根底にある。我々人類は、地球温暖化に歯止めを掛けないと色々な不具合により生活する事が困難になる為だ。 だが、建築現場ではインフレで値段が上がっている状況で断熱性能を上げる事は実際に厳しいので…

ダイソン掃除機DMよりHeat20を考える

バッテリーの性能を最適に保つために 朝晩の冷え込みが強くなって参りましたが、いかがお過ごしでしょうか? 一般に、充電式のバッテリーは、寒い場所や気温差の激しい場所で、性能が不安定になりやすいと言われています。冬場、極端に気温が下がる廊下など…

2025年から住宅の構造が法律で変わります

2025年に建築法規の大きなルール変更があります。 ズバリ、『4号特例の廃止』。 具体的には、木造建築で2階建て以下、500㎡以下、高さ13M以下、軒高9M以下の場合、4号建築物として小規模な建築物と言う扱いとなり構造計算を省略することが出来るという事です…

気密性能(C値)について

この内容を理解すると建築会社選びが『クジ引き』では無くなります。 当たりやハズレで苦しむ事が無くなるはずです。 気密性能とは、空気の漏れる度合いを言います。 空気の密閉度が高いと高気密住宅。 空気の密閉度が低いと低気密住宅。 密閉度が高いと空気…

焦って家を買うか検討している人へ

皆さん周知の事だが、今まさに日本が変わろうとしている。インフレの影響やイルードカーブの許容範囲の拡大、金利上昇を見越したメガバンクや地銀の株高。忘れられた30年を終始見てきた私から見ても良い方向へ向かっている機運を感じる。 正確には価格が上が…

全館空調システムって不要だと思う

先日、全館空調システムの営業を受けた。 感想は、必要性を感じない。 学校を卒業したての若い設計士相手にする営業トークなら通用するかもしれないが、筆者はアレだから通用しない。 正直言うと断熱性と気密性を上げてしまえば、エアコン一台でも室温は一定…

断熱パネルの疑問

プレファブ構造とはあらかじめ工場等で作られたパネルを現場で組み立てる工法となる。 ユニット型やパネル型等木質系や軽量鉄骨等種類も形式も様々だ。 メリットは、工場への出資に見合う効率化と製品の安定性。現場の組立による工期短縮(コストダウン)に尽…

樹脂窓と実際の性能のギャップについて

窓の断熱性能は、サイズや種類、窓ガラスとガス、ガラスとフレームの間に入れるスペーサーの仕様によって変化します。 EW・スマージュの断熱性能は、概ねUw値=0.79〜1.27。 (ホームページより転載) APWの断熱性能は、概ねUw値=0.78〜1.37。 (ホームページ・…

断熱等級5(Ua値=0.6)の断熱性能について

冷静に考えるとUa値=0.6は断熱性能が低いと思う。 Ua値=1.57から0.6へ断熱性能を上げると下の様になる。 Ua値=1.57 →断熱材の性能を上げて、窓をアルミ樹脂ペアへ変更 →Ua値=0.87となる →樹脂窓へ変更 →Ua値=0.6へ至る 結果、概ね開口部の強化のみで終わり。…

湿式外張り断熱について

EPS(発泡スチロール)を外壁面に施工し、その上に仕上げ材を施工する方法。 実はコレについていくつかの疑問点が有る。 っと言うよりも、疑問を上げればキリが無いが1.2.3について考察すると筆者は現段階では採用はしない。 1.通気層が無い事。雨水を排出する…

中古住宅をフルリノベーションと言う選択肢

近年のインフレによって新築市場が様変わりした。およそ35年前の価格に戻った感じだ。 土地建物含め4000〜5000万。 土地建物含め3500万で計画する分譲住宅はどこへ消えたのか。 日本最大のローコスト住宅『飯田産業』も断熱性能を見直ししてUa値=0.6を標準…

夏型結露(備忘録)

気密シートを施工した現場でエアコンを動かした。 石膏ボードで壁を塞ぐ前の状態。 夏なので外気温35℃、室温26℃、防湿気密シートの外気側に結露は発生していなかった。 構造は、耐力面材+高性能GW16k+防湿気密シート。 気密性能はC値=0.2。 夜間の放射冷却…

夏の節電(エアコンは外出時に消しましょう)

テレビで夏の節電についてエアコンを常時つけた方が節電になるとメーカーの広報部の方が語っていた。サムネレベルで断片的に聞くと24時間連続運転した方が節電になる様に聞こえる。 勘違いしてはいけない。 正しくは、外気の条件にもよるが約30分未満の外出…

工務店とその意味

ウチは、性能をソコソコにしている。 『ソコソコの性能』と『ちょうど良い性能の家』。 可もなく不可も無い性能。 パッシブハウスとか、インスタでC値=○○とか上げているヤツ。 そう言うのは要らないと言う工務店の経営者に会う時にいつも思う。 ソコソコの…

15年前と今2023年の違い

15年前 リーマンショック 断熱等級3 4地域 Q値=4.5 約Ua値=1.54w/㎡k 12年前 東日本大震災後 断熱等級4 4地域 Q値=2.7 約Ua値=0.87w/㎡k 8年前 Heat20ガイドブック発売 断熱等級5 6地域 約Q値=1.9 Ua値=0.6w/㎡k 現在 インフレ 断熱等級6・7新設 6地域…

現場発泡ウレタンのスキン層と透湿性能について

(株)日本アクアさんがYouTubeで松尾氏と現場発泡ウレタンのスキン層の有無について語った動画を出した。内容はスキン層の有無に関係無く透湿すると言ったものだ。 以前から分かっていた事だが、スキン層がある事で透湿抵抗が有り防露性能が生まれる(壁内結…

断熱性能と今後について

『この家はエアコン何台有れば良いのかわからない、送風ファンで空気を送り込めば温度差が無くなるのかな?全館空調だったら最高だったのに…』アホな会話をしながらフっと思い出した事がある。 数年前になるが、改正建築物省エネ法の(国交省主催)説明会に参…

シーリングファンとサーキュレーター

ネット上でサーキュレーターを使うと温度差が無くなるとか冷暖房効率アップとか、良い事ばかり言っている。でも、現実は効果が無い。 嘘だと思うなら温度計(データロガー機能付き)を置いて見ればよく分かると思う。 *スイッチボットで代用すれば1個2800円程…

最適な断熱材とは?プロの視点から考える

断熱材について何が良いと思うのかは人それぞれです。YouTubeで最強断熱のワードをよく見るので私も書いて見ました。 断熱材選びのポイント 1.長期使用に耐える素材である事。 2.R値(熱抵抗値)で考える。 *R値㎡•k/w=厚みm÷熱伝導率w/m•k 3.隙間(熱橋)無く施…

本当にコレで良いのかな。

『本当にコレで良いのかな』尊敬する工務店社長がつぶやいた。 現場発泡ウレタンがダメとかグラスウールが濡れて垂れ下がるとか、セルロース断熱に可変透湿シートが最強とか、通気層を省いた湿式外張り断熱、耐力面材で気密を確保する方法。呼吸するとかしな…

【用語解説】全館空調・全館連続冷暖房・部分間歇冷暖房とは

最近、全館空調システムが流行った影響なのか、 エアコンを24時間連続で運転する事を全館空調と言う人がいる。当然、会話中に『っ?』となる瞬間がある。 全館空調とは全館空調システムの事で、冷暖房機器の使い方では無い。言葉が似ているので混同してしま…

熱交換換気と省エネ

温暖地域(東京や大阪とか)でUa値=0.6・熱交換換気を導入して全館連続冷暖房をする家は、省エネでは無い。 最近よく見る仕様ですが、コレは地雷です。 正確に言うと、 断熱区部が5・6地域で断熱等級5の熱交換換気を組み込んで全館連続冷暖房をした家は、断熱…

透湿性と夏型結露について

バイアスの掛かった人はどうしても自分が信じる方へ行くように考え方を構築する。 お題にあげた『夏型結露』が良い例だ。 Haet20設計ガイドブックにも書いてあるが解決策は室内側の防露性能を高めて気密性を確保する事。つまり、防湿気密シートを施工する事…

室温18℃を下回らない断熱性能の家

室温18℃以下にならない断熱性能にしましょうと言う言葉に惑わされてはいけない。 今週の打ち合わせで多かった事。 1.イニシャルコストを考えてエアコン1〜2台にしたい。 2.部分完結暖房(必要な時に必要な分だけ暖房を使う事)で室温18℃以下にならない様にした…

戸建住宅のセミナー受けて

家が寒い。寒さで死人が出てます。だから、高断熱高気密の家が必要。高効率の設備とソーラーパネルを取り付けて電気代を抑えた家にしましょうって簡単に言うけど、今後家を買えない人がめちゃくちゃ出てくる。 2年前30坪(土地と建物で)3500万だった物が、今…

暖房費の節約

電気代やガス代高いですよね。 暖房のに掛かるコストを理解して節約出来ると家計に良いです。 最近、お引渡し済みの方がDIYで断熱強化する人を良く見かけます。 でも、よく見ると暖房のランニングコストを理解してないんだなって思う事が多々あります。 っと…

暖房について

家を作る時に考えて欲しい事。 Ua値=〇〇だから温かい。営業トークに使われる事だけど、意外と勘違いの元になる。 Ua値(ユーエーち)は外気平均熱貫流率(がいきへいきんねつかんりゅうりつ)と言って、家全体から熱の逃げる量を数値化(1㎡当たりの平均)してい…