断熱性能と今後について

『この家はエアコン何台有れば良いのかわからない、送風ファンで空気を送り込めば温度差が無くなるのかな?全館空調だったら最高だったのに…』アホな会話をしながらフっと思い出した事がある。

 

数年前になるが、改正建築物省エネ法の(国交省主催)説明会に参加した時の事です。

外皮平均熱貫流率の計算が出来る人と計算内容を理解している人が建築業界全体の50%にも満たないとサラッと公表していた。

当時ドン引きした記憶があるが、ソレ以上に知人が『Ua値の計算が必須になったら家を作れ無い業者が出てくる』と愚痴った事が印象的だった。

 

Ua値の計算内容を理解していないと言う事は、燃費計算出来ない人間が車の設計をしている事と同じです。適正な冷暖房機器も選べません。

あれから数年、果たして今どれだけ割合が改善されたのだろうか。

 

国は断熱等級の底上げを行いCO2の削減を試みている。結果、断熱等級6・7を創設したが、技術者の中身が変わらないと同じ断熱等級でも性能とコストに大きく差が出る。結果的にエコでも省エネでも無い残念な家になってしまう。

 

ちなみに冒頭のアホな会話では、『いつもは全館空調とエアコン(天カセ)を組み込んでいる』と言っていた。同エリアで全館空調の下請け業者と話しをすると、『ゼ◯空調を入れた家はエアコンの追加注文が必ずある』と笑っていた。

エリアは5地域です。

 

2023年インフレの影響で普通の家でも原価80万円/坪を超える様になり始めた。でも、人件費は変わっていない。そして、職人が極端に減っています。低賃金な外国人労働者も減っている。本当は、もう1段階価格を上げる必要があるはずだが変化の兆しが無い。予算が合わず、住宅ローンの審査が通らなくなっているからだと思う。

 

恐らく、建築業界は絶賛スタグフレーション中だろう。そして、インフレは終わっていない。

その証拠に首都圏の中古住宅市場を見ると、東京近郊通勤1時間圏内で築10〜15年2000万円代の物件が消え3000万代になってます。中古アパートも路線価から収益計算すると採算が合う物件が軒並み無くなっている。妙味のある物件は既に購入されているのだろう。

 

っと言う事で、新築については、無駄な設備を無くしシンプルな設計が必須です。設備については耐用年数を考えましょう。送風ファンや一種換気は交換時に必ずマイナスになります。日射を考慮せず断熱性能を上げると夏にオーバーヒートして冬は陽が入りません。極め付きは、日本の政策金利はマイナスです。いつか必ず利上げが来る。

 

株価と違い、上がった物価は簡単には下がりません。今新築を購入出来る方は、フラット35を使い、急ぎ建築する事をオススメします。マンション購入は管理費と修繕積立費で苦しくなるはずなので注意。

 

とりあえず、以上。