2025年に建築法規の大きなルール変更があります。
ズバリ、『4号特例の廃止』。
具体的には、木造建築で2階建て以下、500㎡以下、高さ13M以下、軒高9M以下の場合、4号建築物として小規模な建築物と言う扱いとなり構造計算を省略することが出来るという事です。*全ての2階建ての個人住宅と思ってOK。
4号特例廃止によって変化する内容は、壁量計算の係数と柱の小径の変更が必要となります。
現在(2023年10月時点)での案は、一般的な階高2900の住宅では、柱をオール4寸にする必要がある上に、壁量が1.5~1.6倍必要(重い屋根材を使用した家と比べ)となり計算となります。
*多雪地域は除く。あくまで案の為、変更になる可能性もあります。
一言で言ってしまえば、25年4月以降の新築(ZEH基準相当)は、構造の見直しにより相当のコストアップが発生するという事です。
仕様で言うと断熱等級5以上の家で耐力面材が必須となり、全ての柱が4寸となる可能性があります。
ここで問題になる点は2024年に竣工した家が25年の4号特例廃止後の基準をクリアしない可能性があるため、市場は前もって25年の基準に変更する必要が出て来る訳です。
個人的な予測としては、24年の着工物件から徐々に値上げ傾向が発生する可能性がある。
3.5寸から4寸への以降については、木材の容積UP。
耐力面材は、現在使用していない場合は100%原価に乗ってくる物となります。
*場合によっては1棟当たり50万以上の価格UPの可能性がある感じですね。
正直、インフレで物価が上がり給料の上昇分が追い付いてない状況でやる事なのか疑問を抱いてしまう。個人的には断熱等67への移行も重なるため、途方もない価格上昇を感じてしまう。そして、消費者がソコまで望んでいるとは思えない。
『国は余計な事をしてくれた!』と感じてしまう人も多いだろう。
ただ、1981年に改正した建築基準法が現在まで変更していない事実を知ってもそう思うのか…ぶっちゃけ40年以上、木造建築の構造基準に変更が無く現在まで来ているのです。
現状は、構造計算をやらなくてよく『重い屋根材の家』と『軽い屋根材の家』の2パターンから係数が選ばれ必要な壁量を算出すると言った内容です。
そして、今後は『重い屋根材の家』『軽い屋根材の家』『ZEH相当の家』の3パターンが出来て、『ZEH相当の家』に集約される流れです。
重い屋根材の家と軽い屋根材の家って…
軽い屋根材の家にソーラーパネルをガッツリ載せても軽いのか?…
断熱等級7で付加断熱しても軽い屋根材の家で良いのか?…
冷静に考えると相当にサイコパスな状況。
深く考えなくても変えていく必要が有る法規だと理解出来る。
なぜ、阪神淡路大震災や東日本大震災、熊本地震などの時に改定されなかったのか…
なぜ、今なのか?見えない力の存在を感じてしまう今日この頃でした。
現在は新築のみで話が進んでいるが、リフォーム工事にも飛び火する可能性はある。
*24年の変革期に中古住宅購入の上でリノベーションを予定するのであれば慎重に。
同業者は、耐力面材の標準化とオール4寸のオプション設定を検討すべきです。
一般消費者は、この状況を理解した上で計画を検討する事をオススメします。
オール4寸って意味あったんだな、チョット反省。
以上。