24時間換気を検討すると三種換気はダメだと言う方が多くいますが、決して一種(熱交換)換気が優れている訳ではありません。
一種換気がダメな理由
1.給気に室内の空気が一部混入します。コレはJIS規格にも記載されている『有効換気量率』と言う項目です。
以前は、『有効換気量率』の意味が、給気に排気が一部混入すると言った内容でしたが現在は言葉が変わってます。
今は、「機器から供給される給気の空気中に含まれる新鮮空気の割合」。
屁理屈っぽい感じですが意味は大差ありません。
概ね3〜7%程度、給気に室内空気がリターンします。
※コロナ禍にYouTubeの動画でガスバリア性能が有るから『リターンしません。安心です。」と語った人がいますが、技術的にありえません。
2.想像以上に熱交換の効果は有りません。コレは当たり前な話ですが空気の持てる熱量は多くありません。純粋に空気が熱を大量に運べる物であればタバコやドライサウナは存在しません。火傷します。
よく『冬に三種換気の給気口をサーモグラフィーで見ると冷えている事がわかります。』と自慢げに語る方は多いですが、一種のSAと三種の給気口を同じ条件下でサーモグラフィーで見比べると2〜3℃程度しか差は有りません。そして、一種換気の排気口を外からサーモグラフィーで確認すると熱交換しているはずですが、赤くなってます。
サーモグラフィーで確認出来る熱は顕熱のみですが空気の温度は別に存在します。又、潜熱を体感で分かる人間は存在しません。なぜなら、人間は湿度を感知する器官を持たない生き物だからです。矯正歯科の友人言わく乾燥感があると言う人は口呼吸との事です。
この点においてネットの情報にリテラシーの問題がある気がします。
3.本当にカビが生えます。場合によっては結露してファン本体から水が垂れます。熱交換素子で結露するのは、流速が遅くなる為です。フィルターに汚れがついてダクト内の気流が減速すると起こる現象です。
壁掛けエアコンでも起こる現象です。
実際、毎月1〜2回は給気と排気についているフィルターの掃除と熱交換素子の掃除を行う必要があります。コレをサボると熱交換素子が黒ずみ始めます。メーカー側は、10年使用できる等と表示しているモノもありますが実際は汚れます。
空気清浄機のフィルターを交換しないで使用し続ける人は存在しないのと同じです。ぶっちゃけ空気清浄機も分解してファンを確認するとかなり汚れています。JIS規格で『有効換気量率』が指定していても数%は漏れて良い内容の為、汚れるのは当たり前です。
※Googleで『全館空調 掃除』『熱交換 カビ』で検索すると色々見る事ができます。
筆者もネット検索した時に出てくる様な汚い現場は多く見ている。だから、基本はオススメはしない。冷静に考えれば35年間機械が清潔に保たれるとは思えない。
4.点検口サイズよりファン本体の方が大きく出来ている場合が多い。壊れたら交換費用が掛かります。天井(又は、床)を壊して復旧する為、本体だけでは済まない事が多いです。又、電気工事と造作工事は業種が異なるので余計にお金が掛かります。
1〜4の理由で一種換気が優れた商品とは言い切れません。
最近では、局所換気の熱交換タイプが出始めていますがアレも衛生的では有りません。
ロータリー式の熱交換方式と大差なく、構造上汚れやすいタイプです。
顕熱で衛生的と謳いますが給気の経路に排気が重なる為、汚れます。そして、局所換気の為、抵抗を計算しないので換気量が取れていない場合が多いです。
室内の匂いが取れないとクレームを受けた友人もおります。
メーカー側の設計では、各居室に設置して換気量が足りない場合は洗面所やトイレに取り付けた局所の三種換気を計画に合算して換気量を誤魔化す様に指示を受けます。
給気口が無いのに換気が成立するのは如何なモノか。熱交換換気で24時間換気を設計して三種換気を組み合わせたら熱交換効率が下がります。
一台8〜9万する高価なユニットですが、ぶっちゃけ意味がありません。
当然ですがオススメしません。
以上。